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エピソード1: コンタクトセンター完全自動化が見えてきた? [前編]カギは高品質ナレッジとHybrid RAG
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生成AI Co-Creation lab.がお届けする、Podcast番組「どうなる?未来のコンタクトセンター」。毎回生成AIのキーパーソンやコンタクトセンターのエキスパートをお迎えし、最新の生成AIトレンドや事例を紹介しながら、コンタクトセンターの未来をひも解く15分間のPodcast番組。パーソナリティはIT系スタートアップ企業の広報支援も手掛け、幅広く活躍するアナウンサーの古澤千尋さんです。
エピソード1のゲストはベルシステム24執行役員 デジタルCX本部長の加藤寛さん。1月29日に開催したウェビナーのお話を中心に、コンタクトセンター自動化の未来についてお話いただきました。
ズバリ、コンタクトセンターでの生成AIの実用化のためのポイント、課題は何でしょうか。

古澤ズバリ、コンタクトセンターでの生成AIの実用化のためのポイント、課題は何でしょうか。
加藤『回答精度を上げること』。これに尽きると思います。
古澤1月29日のウェビナーでは回答精度を上げることを"本質的な課題"と表現されていました。コンタクトセンターでの生成AI活用のネックとなっているのが、回答精度であるという結論に至った背景を教えてください。
加藤我々は2023年から、生成AIのコンタクトセンターでの活用検証を始め、実証実験に取り組んできましたが、その中で通録を自動要約したり、会話データの中から特定のワードを抽出するような技術を開発し、単体のソリューションはいくつか出来ていました。
ただ、私たちはコンタクトセンターで生成AIが当たり前のように活用され、その結果新たな市場が出来ていくためには、何をクリアしなければいけないのかを「本質的な課題」として捉え検証してきました。その結果、オペレーターがやるべきことは、やはりお客様の質問に対して正しい内容を迅速に回答することであり、その回答精度を上げることが、何より重要だと結論付けました。逆にこれが出来なければ、当たり前のように生成AIが使われる新しい世界は作れないと考えました。
~回答精度を上げるために~ 越えなければならない2つの壁

古澤ウェビナーでは、さらに回答精度を上げるために、越えなければならない壁が2つあるとお話していました。
加藤1つ目は、「ナレッジの品質を上げる」こと。2つ目は今まで使われていた「従来のRAGの限界を超える」、この2つになります。
古澤ナレッジ品質の改善方法にはどういったものがあるんでしょうか。
加藤まずは「KCS準拠」に沿って正しいナレッジが作られます。体系立てたフォーマットに従って、マニュアルを作るというのがナレッジ整備の王道と言われています。
古澤それは人がやるものでしょうか。それとも自動でできるものでしょうか。
加藤今までは人手を介して、コンサルティングサービスとして提供していました。しかし生成AI Co-creation lab.が新たに開発した『Hybrid Operation Loop』という仕組みの中では、生成AIでほぼ自動でできるようになります。
古澤二つ目の超えるべき壁、「従来のRAGの限界を超える」についても教えてください。RAGというのは、日本語だと「検索拡張生成」とか、「取得拡張生成」とも呼ばれています。従来のRAGを超えるというのは具体的には何を指しているんでしょうか。
加藤従来のRAGというのは、一般的にはベクターDB検索と呼ばれているものです。つまり類似性を軸に回答を検索する技術が使われています。しかしこの場合全体の文脈や、回答のために必要な確認情報を併せて検索することができないため、多面的な回答にならない。それを解消するために、"関連性"をデータベース化する技術を用います。これが従来のRAGを超える、という部分で、『Hybrid RAG』と呼んでいる手法です。これによって言葉の文脈や背景なども理解しながら適切な回答を出すことができるようになります。
生成AI Co-Creation Lab.を通して生成AI市場を創出したい
加藤ベルシステム24のさまざまな業界のクライアント様ともお話していく中で、生成AIを活用した新たなコンタクトセンター市場ができないことには、ビジネスが推進せず、結果として目前に迫る労働力不足や、世の中の課題も良くなっていかないのではないかというお声をたくさんいただきました。そういった大義に賛同する企業が集まる組織として、生成AI Co-Creation Lab.が生まれました。参画企業、パートナー企業の皆さんと一緒に、新たな市場を作るのだという想い、業界横断の唯一無二のネットワークが、ラボを支えてくれていることを実感しています。

Navigator Profile古澤 千尋
お茶の水女子大学音楽科卒業。ウェディングプランナー、ベンチャー企業のマーケティング・広報部門の立ち上げを経て独立。 そのかたわらシンポジウムやカンファレンスの司会、動画・ライブ配信への出演、研修講師など幅広い分野で活動。現在はアナウンス業と共に、コミュニケーション&PR支援の株式会社CHOIXの取締役を務め、スタートアップを中心に企業の成長を後押ししている。

Speaker Profileベルシステム24 執行役員
デジタルCX本部長
加藤 寛
1968年生まれ、大学卒業後は伊藤忠テクノソリューションズ株式会社に入社、その後国内ITベンチャー企業の取締役副社長を経て、現在は株式会社ベルシステム24で、生成AIをはじめとする、コンタクトセンターのデジタル化や新技術の提供、コンサルティングを実施する部門の部門長兼執行役員。

Podcast番組「どうなる?未来のコンタクトセンター」
生成AIと人間の相乗効果が生み出す、次世代コンタクトセンターの姿とは?
コンタクトセンター生成AI活用の最先端を行く生成AI Co-Creation lab.から、ここでしか聞けない最新情報を15分間でお届け。多様な業界での導入事例や課題を第一線の専門家が解説します。
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