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2025.08.06
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日本経済新聞に掲載されました

8月6日の日本経済新聞 電子版および、8月7日の日本経済新聞 朝刊(14面)で「コールセンターAI主役ーベル24 26年に応対完全自動化 人手5割減、外販も」と題する記事にて生成AI Co-Creation Lab.の運営会社である、株式会社ベルシステム24(以下、ベルシステム24)のコンタクトセンター自動化に関する記事が掲載されました。

記事内で紹介された生成AI Co-Creation Lab.とベルシステム24が提唱する、コンタクトセンター自動化ソリューション、「Hybrid Operation Loop(以下、HOL)」について、記事の裏側にある想いを、改めて開発責任者のベルシステム24渡辺氏に聞きました。

ベルシステム24渡辺氏

- 現在、様々なコンタクトセンターの自動化に関する生成AIソリューションが登場していますが、改めて、「HOL」の強みはどんなところにあると思いますか?

現在のコンタクトセンター市場において、プロセスの一部に生成AIを使用する事例はありますが、顧客応答のプロセス全体の完全自動化を目指して、回答精度を重要視したソリューションを具体化しているといった意味では、他に例を見ない先進的な取り組みですし、先陣を切っていると考えています。

「ヒトのような会話を生成できる」、というこれまでにない特長を持つ生成AIが登場し、ベンダー各社の開発競争が激化する中で、最初はいかに最新の技術を取り込めるか、情報戦のような戦い方になるイメージを持っていました。

そのため、情報を点ではなく面で捉えていくために、様々なパートナー企業とともに、生成AI Co-Creation Lab.を設立しました。各企業との実証実験や議論を重ねる中で、現場の共通課題として、自動化が容易な、単純な問い合わせ内容に対応する業務だけではなく、専門性の高い、あるいは商品やサービスが多岐にわたるような難易度の高い業務も想定したときに、どうしてもナレッジの整備、という大きな壁を越えていくしかない、と思い至りました。
しかし、これは想像以上の大仕事になると確信していました。なぜならば、今の日本の企業で、ナレッジが整備されている企業は少数で、整備できていない企業には、それぞれに独自の、複雑な事情があると知っていたからです。しかし、ここを超えていかなければ、本質的な自動化には至らない、我々以外に誰がこれをやれるんだ、と。

さらにこだわったのが、回答精度です。従来の生成AIの検索手法であるRAGだけでは回答精度60%~80%程度が限界であったため、類似性と関連性を掛け合わせたHybrid RAGの検索手法を採用することで、95%以上の精度実現が見えてきたのです。

- なぜ、ベルシステム24だからこそ実現できるのでしょうか。

まず一つ目は、コンタクトセンター音声基盤の提供をかなり早期から始めていたことです。現在は、「Bellcloud+」シリーズとして、約8,000席への導入実績(2025年2月時点)があります。コンタクトセンターの自動化で企業の皆様のネックとなるのが、やはりセキュリティの問題です。自社開発の音声基盤システムを持っていることで、クローズド環境での学習データの蓄積が可能なため、実証実験への許容度・スピードが上がったと感じています。

二つ目は、コンタクトセンター業務を熟知していることが生成AIビジネスにおいては重要な強みである、ということです。いかに最先端の技術を持っていたとしても現場の知見なくしてAI活用はできません。ナレッジの整備やデータ活用には、現場のノウハウや業務理解が必須だからです。そのアドバンテージを持っている当社だからこそ、障壁を越え、自動化を実現できると考えています。

生成AI Co-Creation Lab.を通じて、多種多様な業界の企業の声を反映したソリューションである「HOL」に、「総合BPOパートナー」である当社の知見を掛け合わせることで、クライアント企業の課題に寄り添い一気通貫、伴走型で提供できることが当社の強みです。

- 自動化によってコンタクトセンターでのヒトの役割はどのように変わるのでしょうか。

生成AIに単純作業を任せることで、ヒトが煩雑な業務に追われてなかなか手がかけられなかった、新規顧客の獲得に向けた営業活動や、音声データの活用など付加価値の高い施策に手を掛けることができるようになると期待しています。そこから、CXの基準が変わっていくのではないかと考えています。そのため、生成AIに任せられる顧客対応の人手は減らせるかもしれませんが、当社としては、人材は必要不可欠です。

また、コミュニケーターも、例えば、ナレッジの整備を行う"ナレッジマネージャー"といった役割への変化は出てくると思います。ただ、高いAIの知識やスキルが求められるというよりは、業務特有の知見を持っているコミュニケーターだからこそできる領域であり、新たなスキルを装着するというよりは、現状のスキルの延長上に成り立つものと考えています。

- 生成AI Co-Creation Lab.およびベルシステム24の今後の展望を教えてください。

労働人口減少の一方で、生活者のニーズは多様化し、コンタクトセンター領域でも課題が山積しています。いかに業務効率化とCX向上を両輪で実現できるか、その解決を後押しできるのが生成AIだと考えています。ヒトとAIが協働することで、よりヒトの役割が高度化し、付加価値の高いサービスを提供することもできると思います。日本のデジタル化、生成AI活用は他の先進国と比較しても進んでいない、と言われることもありますが、グローバル社会の中で、企業競争力を高めていくために、何ができるのか。

日本ならではの生成AI市場を創っていく先駆者として、パートナー企業と共に、日々様々な障壁と向き合いながら開発を進めていきます。

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